色の違い分かる? 油絵の具「白」の種類について
いろんな「白」絵の具ついて調べてみた!
こんにちわ!Shiva’s artオーナーのShivaです。
独学で油絵の制作と販売を行っております。
油絵の具では一言に「白色」とは表現できないほど近しい色の種類が存在します。
パッと見同じに見える絵の具でも異なる性質を持っているのです。
独学で油絵を描いている私はその違いを把握し、より適した画材を選択できるように調査しました!
今回は絵の具の種類や各性質について触れていきたいと思いますので、参考までにご覧ください♪
目次
絵の具の性質
絵の具の種類をご紹介する前に、比較しやすいように各性質について触れておきたいと思います。
・底色
見た目の色味は同じでも、絵の具を薄く広げたときや混色したときに感じる隠れた色味です。
RGB値など数値化できる情報ではなく、人の目で見て初めて分かる色と言えます。
・透明度(隠蔽力)
絵の具を重ね塗りした際の透明具合です。
透明色 ≦ 半透明色 ≦ 不透明色、この順で下地の色より強い色を表現できます。
似た表現で「隠蔽力」と別途表現されることがあるようですが、今回は総じて「透明度」と表記します。
(機械で計測した値が隠蔽力、人の目で感じるのが透明度とされているらしいです)
・顔料(発色剤)
絵の具の色を出すために必要な材料です。
土や鉱石などの無機物を材料にした無機顔料と、染料などの有機物を材料にした有機顔料があります。
(レーキ顔料というものもありますが、難しいので割愛します)
・乾燥速度
絵の具が完全乾燥するまでに必要な時間です。
主に絵の具に含まれる主媒剤(展色剤)の種類と、顔料の吸油量により乾燥具合に差があるようです。
・毒性
絵の具に含まれる顔料が原因となり、人体に有害性があるかを示します。
有害と言っても一般に売られている絵の具なので、極端な使い方をしなければ全く問題ありません。
一般的なホワイトの種類
ここでは現在多くのメーカーが販売している一般的なホワイトをご紹介します。
各性質については前述の「絵の具の性質」を参照ください。
また、記載されている性質についてはメーカーによって異なる可能性があるため、あくまで目安程度に捉えてください。
・パーマネントホワイト
【底色:ー / 透明度:半透明 / 顔料:酸化チタン / 乾燥速度:やや遅い / 毒性:なし】
よくある絵の具セットに入っているのがこのホワイトです。
癖なく使い勝手が良いため、初心者に優しい絵の具だと思います。
私も現在愛用中です。
・チタニウムホワイト
【底色:黄系 / 透明度:不透明 / 顔料:酸化チタン / 乾燥速度:やや遅い / 毒性:なし】
透明度が低く、強い色を出せるホワイトです。
下地の色を覆いたいときや、ピンポイントで強いハイライトを入れたいときなどに向いています。
ただし、その白の強さ故に他の色と混色すると白っぽい色になってしまいます。
俗にオオカミ色(他の色を食ってしまうほど強い色)と言われる種類の絵の具です。
・ジンクホワイト
【底色:青系 / 透明度:半透明 / 顔料:酸化亜鉛 / 乾燥速度:遅い / 毒性:なし】
混色した時の発色が綺麗にでるホワイトです。
後ほど出てくる「シルバーホワイト」に代わる絵の具として開発されたようです。
このジンクホワイトは上塗りや仕上げなどに愛用される絵の具になります。
使用上の注意として、下塗り、中塗りなどに用いると長期保存の後に亀裂が生じやすくなります。
これは顔料の酸化亜鉛が原因となり起こる現象と言われていますが、詳しい話は難しいので割愛します。
・シルバーホワイト
【底色:黄系 / 透明度:半透明 / 顔料:炭酸鉛 / 乾燥速度:早い / 毒性:なし】
中世から存在する歴史の長い絵の具です。
乾燥が早く、下地から仕上げまで広く使用できます。
また、混色しても綺麗な色がでることから多くの画家に愛用されてきました。
しかし、顔料に含まれる鉛には毒性があり、愛用を続けた画家の中には鉛中毒になるものもいたそうです。
現在も販売されているシルバーホワイトを使用することに不安を感じる方もいらっしゃるかと思いますが、基本的に心配しなくて大丈夫です。
よほど大量に食べたりしない限りは問題ないでしょう。
絵の具メーカーのクサカベも下記のように記載しています。
慢性毒性が懸念される絵具として、油絵具のシルバーホワイトがありますが、これは長期にわたって摂取した場合に限ります。ヒトの場合、四週間にわたって、顔料としてのシルバーホワイトを毎日412mg、経口摂取した場合の死亡例がありますが、このような反復摂取は偶然ではおこりえません。
その他のホワイト
一般的なホワイトとは別に、近年開発されたホワイトやメーカー独自のホワイトも多々存在します。
深くは触れませんが、ご興味ある方は自分の好きなメーカーがどんなホワイトを販売しているか検索してみてください。
画材メーカー ホルベインの例
・セラミックホワイト
1990年に開発された性能抜群の万能ホワイト。
・クイック ドライング ホワイト
その名の通り、速乾性を持たせたホワイト。
下地作りにも向いている。
おわりに
今回様々な白色について調査してみて、普段使っているパーマネントホワイト以外も使ってみたいと思いました!
特にジンクホワイトを人物の仕上げに使ってみたいです。
肌感にどんな違いがあるのか試しがいがありそうですね(笑)
ここまで記事を読んでいただきありがとうございました。
白と同じようになかなか判別が難しい「黒色」も記事にまとめていますので、ご興味ある方はぜひこちらもご覧くださいね♪
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