遠近感を狂わす!? どこまでも黒い絵の具とは
限りなく黒い漆黒の絵の具!
こんにちわ! Shiva’s artオーナーのShivaです。
独学で油絵の制作と販売を行っております。
黒色は背景や陰影、髪など、幅広く絵に使われる色です。
そんな黒色の中には、近年開発された恐ろしく黒の純度が高い絵の具があることをご存じでしょうか?
あまりに黒いその絵の具は見るものの遠近感を狂わすほど。。。
今回はそんな不思議で魅力的な黒い絵の具についてご紹介します!
目次
黒色ってなに?
さて、本題の前にそもそも”黒色”とはなんでしょうか?
黒色が黒く見える理由は光の反射と吸収にあります。
私たちは物体に反射した光の波長を色と認識しています。
黒い色が黒く見えるのは光の吸収率が高く、反射してくる光の波長が少ないことが起因しています。
詳細なお話はここでは割愛しますが、興味ある方はこちらのリンクから調べてみてください。
黒より黒いってどういうこと?
これからご紹介する黒より黒い絵の具。
その前になぜ黒より黒く見えるかを簡単にご説明します。
上述の光の反射と吸収の話に繋がる内容になりますが、黒色は私たちが色と認識できる光の波長の多くを吸収しています。
そのため、光の吸収率が高ければ高いほど、より黒い色だと認識することができるのです。
今回ご紹介する絵の具は、研究開発の末にその吸収率を極限まで高めることに成功した製品になります。
漆黒の絵の具
さて、やっと本題の絵の具をご紹介します!(2021/12調べ)
・ベンタブラック
英国Surrey NanoSystems社が製造しているベンタブラックという塗料は現在地上で最も黒い物質です。
光を反射するのではなく、材料であるカーボンナノチューブの微細な繊維内に光を取り込み、何度も屈折させることで、吸収率を高めています。
その結果得られた光の吸収率は99.8%!
車で有名なBMWがこのベンタブラックで塗装した漆黒の車をモーターショーに出展したことでも話題になりました。
芸術分野への利用も期待されていたベンタブラックですが、彫刻家のアニッシュ・カプーア氏が芸術分野の独占使用権を有しているため、私たちが作品制作に使うことはできなくなっています。
・BLACK 3.0
上述のベンタブラックが芸術分野に利用できないことが原因となり、一部の芸術家から批判の声があがりました。
そんな中、対抗策として誕生したのがBLACK 3.0です。
BLACK 3.0は光の吸収率98~99%と言われており、ベンタブラックには劣りますが、十分なポテンシャルを持っています。
BLACK 3.0は水溶性で使用上の制約も少ないため使いやすい塗料になっており、販売価格も高価なわけではありません。
世界中の誰でも使用できますが、唯一ベンタブラックの独占使用権を持っているアニッシュ・カプーア氏だけがBLACK 3.0(BLACK シリーズなどの開発元の塗料)の使用を禁止されています。
ベンタブラックの独占使用権による問題で、いざこざがあった結果こんなことになってしまったようですね。。。
・暗黒ブラック
ターナー色彩株式会社が販売しているアクリルガッシュ絵の具、暗黒ブラック。
ベンタブラックやBLACK 3.0は芸術分野への利用もされていますが、工業用塗料としての一面があるため、純粋な絵の具とは言い難いです。
その点、暗黒ブラックは”絵の具”として開発されており、通常のアクリルガッシュと同じように使用することができます。
ターナー色彩株式会社も「世界で一番黒い絵具」とうたっているのは、あくまで画材として使われることを目的にしているためでしょう。
今回ご紹介している製品の中で、私たちが芸術の制作活動に用いるなら、一番現実的な画材だと思います。
しかしながら、2020年1月に数量限定で販売されて以来、いまだ再販はされていないようなので入手するのは難しそうです。
・黒色無双
光陽オリエントジャパン㈱が販売している水溶性のアクリル塗料、黒色無双。
プラモデルなどの模型用塗料がメインの使用方法とされているようですが、芸術面への使用も可能なようです。
また、真・黒色無双というバージョンアップした製品もあるようなので、模型用塗料をお探しならばピッタリなのではないでしょうか。
お値段も良心的です♪
おわりに
遠近感を狂わすほどの黒。。。
なかなかに制作意欲をくすぐる色ですよね(笑)
あまりにその個性が強いので、使いどころは選びそうですが、面白い絵が描けそうです!
次はぜひとも実際に絵の具を用意して制作した記事を書きたいと思います!
ここまで記事を読んでいただきありがとうございます。
よければ当店Shiva’s artも覗いていってくださいね♪
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